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長期優良住宅の申請にかかる費用とメリット・デメリット

time 2017/03/14

長期優良住宅の申請にかかる費用とメリット・デメリット

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長期優良住宅という選択

長期優良住宅とは?

長期優良住宅とは、住宅を長期にわたって良い状態で使用するために、定められた基準に則って、適切に維持管理される住宅のことです。

わが家は長期優良住宅の申請をしていません。

施工業者が勧めるのであればしていたかもしれませんが、わが家の依頼したハウスメーカーは認定住宅に消極的でした。一応長期優良住宅申請について相談してはみたのですが、まったく気乗りしない対応で、減税などで受ける恩恵より、かかる費用のほうが大きく、費用対効果がないというニュアンスのことを言われました。

大手ハウスメーカーの家は、長期優良住宅の申請を勧められることがほとんどだと思います。

わが家が依頼したハウスメーカーのカタログでは「長期優良住宅仕様」ということでしたが、実際はそうではありませんでした。

長期優良住宅仕様と認定長期優良住宅は違う

長期優良住宅の仕様だからと言って、申請しなければ認定住宅にはなりません。しかも、うちが建てた家は長期優良住宅仕様でもありませんでした。

実際、申請したいと言い出したら面倒がられて、そのための費用のほうが受ける恩恵より多くかかり、費用対効果がなさすぎると説き伏せられます。ちなみに独自の耐震技術を取り入れた住宅のようですが、金具などが認定されているものと異なるため耐震等級も1だそうです。

長期優良住宅仕様にするには、以下の費用が必要だと見積書を出されました。

長期優良住宅見積書

基礎貫通スリープというものがよく分からなかったのですが、調べてみると、コンクリートの部分を貫通する給排水管を保護するもののようです。これをしていないと将来の排水管の点検や補修の際に基礎に影響があるようです。耐震性にも影響があるみたいですね。

金具だけの問題じゃないのかよ…って感じです。ちなみにこの貫通スリープのサヤ管というもの。調べてみたら、部品自体の価格は1,500~1,600円くらいのようですが、施工するのに8カ所で7~8万かかるようです。

しかし、これをするだけで将来のメンテナンスが楽になるなら、認定住宅の申請をしようがしまいが、「いい家を作りたい」と考えている業者ならするものじゃないの?と思うのですが…けっこう大事な部分ではないのでしょうか。じゃあ、給排水管の補修が必要になった時には基礎をやり直すことになるんでしょうか? 今更ながら怖いです。

全部で70万円弱。これに対して返ってくるお金が、わが家の場合、固定資産税軽減措置が2年増えるだけなので16万円くらいだろうというのです。実際には、保存登記や移転登記などの登録免許税も軽減されるようです。

この見積書から考えると、「長期優良住宅仕様」にするのに254,800円、「認定長期優良住宅」にするためには、審査費用や設計図書作成、申請費用、点検費用が加算されて698,880円かかることになります。

正直なところ、認定住宅にしてしまうと「維持保全計画」というものに基づいて修繕しなくてはならないため、どれだけの費用がかかってくるのか予測できず不安な気持ちはあります。特にハウスメーカー相手なので、修繕費用にも利益がかなり上乗せされ、数百万単位になると思えます。

そう考えると「しなくてもいいかな」と思うようになったのでした。

認定長期優良住宅の維持保全計画とは

竣工より30年間が義務付けられている「認定長期優良住宅の維持保全計画」についても資料をもらいました。

基礎や土台、床などを支える部分は5年ごとに点検され、そのたびに防腐処理と防蟻処理がされます。床組という床を支える部分の構造は20年で全面取り替えを検討するように書かれています。

柱や筋交い、屋根を支える小屋組と言われる部分については10年毎に点検で、原則として建て替え時に更新するとされています。

屋根は5年ごとに点検、20年で全面葺き替えを検討するように書かれています。

外壁は窯業系サイディングの場合、3年毎の点検とトップコート塗り替え、15年で全面補修を検討するようにと書かれています。結構な頻度です。普通は10年目で継ぎ目部分を補修と言われていますので、お金がいくらあっても足りない気がします。認定住宅にするならサイディングは避けたほうがいいかもしれませんね。

雨どいは3年ごとに点検、7年ごとに前面取り換えが検討されるようです。

軒裏天井も3年毎の点検、15年ごとに全面取り替えを検討されると書かれています。

窓やドアなどの開口部周辺の隙間に関しては5年ごとに点検、20年で全面取り替えを検討されるそうです。

最後に配管設備ですが、5年ごとの点検で20年で全面取り替えを検討されるということです。わが家はサヤ管を使っていないので、建て替えるまで放置ということになるのでしょうか。配管が基礎にくっついていたら取り替えられないですよね。どうするのでしょうか。基礎を削るのでしょうか。家を長持ちさせることを全然考えていない施工者、怖いです。

この点検で指定された箇所を補修しなければ、認定取り消しをされる場合もあるということです。一説によると、これらの修繕には30年で1千万円近い費用が必要だと言われています。大手ハウスメーカーでならあり得るかもしれません。

普通の家はここまでの頻度で修繕をしません。普通より長持ちするはずの住宅なのに、修繕費がこれほどかかってしまっては本末転倒ではないでしょうか。もちろん、点検の結果、修繕の必要はないと言われることが多いのかもしれませんが…。

ハウスメーカーに不信感のある私は、こういうことを聞いてしまうと認定住宅にするのが怖いです。自分のペースで修繕できるのが戸建の良さでもあると思うのですが、これだと分譲マンションより厄介ではないでしょうか。

長期優良住宅の歴史が浅いので、実際に維持保全計画がどこまで厳しいものなのか、どれほどの費用がかかるものなのかについても、また調べていけたらと思います。

まとめ

結局、わが家は長期優良住宅を諦めましたが、しょせん木造住宅です。将来売却する際にはおそらく土地の価値しか残っていないと思うので「まあいいか」と思っています。ただ30万円弱でできるのなら「長期優良住宅仕様」にしておけば良かったとは思います。

補修がしやすいという点、耐震強度が高くなるという点では、長期優良住宅仕様にすることは有意義だと思います。問題は維持保全計画による修繕費用が不透明だという点。これは恐ろしいです。住宅ローンを支払いつつ、指示された時期に修繕し、なおかつ子供の教育費や老後資金を確保しなくてはならないのです。

どの道を選ぶかは人それぞれですが、そういったことも建築施工者としっかり話し合ったうえで、認定住宅の申請を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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転勤族妻です

りんご

転勤族なのに家を建て、1年半後に夫が単身赴任となったアラフォー主婦です。



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