2021/05/13
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既に売電している人も再度認定が必要「改正FIT法」
太陽光発電システムを導入されているお宅には、2017年4月「改正FIT法」の案内が届いているのではないでしょうか。
「改正前にもう契約してるんだからうちは関係ないわ」と思いがちですが、実は関係あります!
平成28年度までに旧制度での認定を受け、新制度での認定を受けたものとみなされる場合、この「受けたものとみなされる」認定を、新制度での新規認定と区別するために、「みなし認定」といいます。
またこの場合に、新制度での認定を受けたものとみなされた者を「みなし認定事業者」といいます。引用元:経済産業省資源エネルギー庁
たしかに、すでに太陽光パネルを屋根に載せていて売電している家庭の方は、2017年4月1日の制度改正前に認定を受け、接続契約をしているので、「みなし認定者」となります。
しかし、これはあくまで”みなし”、つまり仮の認定です。
新制度の認定に必要な「事業計画」が不完全な状態となっているので、これを提出し新制度でも認定を受ける必要があるのです。
中には2012の開始当初に大容量太陽光発電を実現し、住宅ローン返済月額並みの売電額を実現されている方もいらっしゃると思います。
このような、再エネ固定価格買取制度開始から、2017年3月までに売電を開始されている場合も、10kw未満・10kw以上にかかわらず、手続きをしないとせっかくの固定買取価格が失効する可能性があります。
このページでは、家庭での太陽光発電システムによる売電契約をしているお宅が、改正FIT法で取らなければならない手続きと、法改正によって何が変わるのかについてご紹介します。
事業認定登録しないと売電契約が取消される
2012年にスタートした再生可能エネルギーの固定買取制度は、2017年4月、生まれ変わりました。この制度は、これから太陽光発電などを始めようとする事業者だけでなく、すでに認定済みの事業者も対象となります。つまり、制度改正以前に設備を設置し、売電を開始している事業者(個人も含む)も無関係ではありません。新制度での認定基準を満たす必要があります。
2012年のFIT開始時~2017年3月までに既に売電を始めている事業者は、事業計画を提出するまで、新制度の「みなし認定者」となります。みなし認定者が具体的にしなければならないことは「事業計画の提出」です。
提出は業者を通じて、または自分で行います。
事業計画の提出期限はいつ?
2017年9月末日までに経済産業省資源エネルギー庁に事業計画を提出する必要があります。
しかし、屋根に太陽光パネルを載せて売電している一般事業者の多くは、申請などを業者に任せていたと思います。わが家もそうでした。
わが家は資源エネルギー庁からのお知らせなどはなく、建築施工者であるハウスメーカーからのお知らせが届きました。希望すれば、ハウスメーカーが事業認定登録を代行するということです。
自分でする人は、経済産業省資源エネルギー庁のホームページより、ユーザーIDを発行し電子申請することになります。また、新制度移行手続代行センターを通じて紙申請することもできます。
しかし、自分ですることによって何らかの不利益を被ってもハウスメーカーに責任はないと認める念書のようなものの提出が必要になることもあります。
また接続申込日、接続契約締結日、太陽電池の合計出力数や事業区域の面積などの情報も必要となるため、業者に申請してもらった場合は任せるほうが安心であると思われます。
設置業者を経由して行う場合は委任状の提出が必要です。業者を介して申請を行うため、業者が9月30日までに申請を完了させる必要があります。そのため、かなり早い段階で委任することが必要です。
業者からの連絡がない場合、届け出を代行してもらえるのか、代行費用はかかるのか、委任状の提出期限などについても確認してみましょう。
新制度でどう変わる?
固定買取価格は変わらない
まず、提出期限までに手続きすれば、みなし認定から新制度での認定が認められ、固定買取価格は変わりません。
家の屋根で発電している場合、自分でするのは難しいので、業者代行で提出してもらうのが一般的です。2017年4月の時点で、なんの通知も来ていない場合、早急に確認して手続きを進めましょう。
適切な点検・保守を行う義務
点検や保守を行う義務については、具体的にメンテナンス計画書などの提出は、具体的には必要ないようです。ただし、保守点検や維持管理の内容を記録・保管しておくなどが必要です。設置業者によって保守点検を行う場合、設備トラブルの早期発見・対処のため、売電伝票の提出を求められることがあります。
売電収入への課税は?
売電収入は会社員などの場合、雑所得となります。雑所得は年間20万円以上になった場合に申告が必要となります。毎月2万円の売電だとしたら、1年で20万円以上になってしまいます。
しかし太陽光発電の場合、導入費用が17年にわたり減価償却されます。
余剰買取の場合は、自家消費分と売電分の割合をだし、導入費用に売電分の割合をかけた額を17年で割ります。全量買い取りの場合は、導入費用すべてを17年で割ります。
その額を売電収入から差し引くことで、売電収入による雑所得を計算します。
旧制度にしろ、新制度にしろ、これは変わりませんので、他の雑所得と合わせて20万円以上になる場合は申告する必要があります。
申告の必要がないとしても、資源エネルギー庁事業計画策定ガイドラインでは、発電電力量を計測し、記録に努めることとありますので、年間の売電量や収入については把握しておくべきでしょう。
FIT法改正の理由
なぜFIT制度が改正がされたのかというと、以下のような要因を防ぐためのようです。
- 電力使用者の負担(再エネ賦課金)の増大
- 未稼働案件の増加
- 地域とのトラブル増加
家の屋根に太陽光パネルを載せ、既に売電されている人にとっては、2と3は関係ありません。
問題となっているのは、固定買取単価が高いうちに認定を済ませておき、実際の稼働をしていない事業者です。導入のための費用は年々下がり、発電性能は高くなると言われています。安価で調達して高額の売電収入を得る人が増えると、将来ますます国民の負担が増えます。
それが1の再生可能エネルギー賦課金の増大です。
売電されている方ももちろん支払われていると思います。わが家も1,000円以上支払っています。けっこうな負担ですよね。
今でこそ大きな負担なのに、太陽光発電システム導入費用が下がったときに、過去の高い買取単価での未稼働物件を一斉に稼働されると大変なことになります。そのため2の未稼働物件を迅速に稼働させるために、認定されてから稼働するまでに期限を設けられたのです。
3は土地利用においての防災上のトラブルなどを防ぐため、法令の遵守と適切なメンテナンスを行うことが必要だということです。一般家庭の屋根など、建物所有者が明らかである場合は、柵の設置や標識の掲示は必要ありません。
(参照元:経済産業省資源エネルギー庁)
まとめ
このように、すでに売電しているなど、制度改正以前に接続契約を締結している場合でも、新制度での認定が必要です。
そのためには設置業者を通じて、または自分で事業計画の提出=事業認定登録を2017年9月末日までに済ませておかなくてはなりません。新制度での認定が適用されないと、これまでの固定買取価格が取り消される可能性があります。
まだ手続きをされていない場合は、設置業者に問い合わせるなど早めに対処するようにしましょう。