2021/05/13

新築してから2年弱、人生で一番大きな買い物なので慎重に考えたつもりでいたのに、実際建ててみてから、住んでみてから後悔することは多いものです。
今回は、設備などの細かい部分でなく、大きな点で注文住宅で失敗したと思うことをランキング形式で発表したいと思います。
1.土地選びの失敗
わが家の建っている土地は、前面道路との高低差が2m以上あります。かといって、スロープを作るほどの広さはありませんでした。
高低差2mは大きいです。スロープを作るにも高さがあり過ぎてスペースが取れません。玄関まで13段の階段を毎日昇り降りするのも、重い荷物があるときも、宅配の受け取りも面倒です。
また階段、擁壁など、外構費用が多くかかります。それらのスペースを取る分、建物に使える土地が狭くなるのも失敗でした。
また北側道路の家を選んだのですが、南にある程度スペースを取らないと家の中が暗いです。わが家は隣地から1m離したギリギリで建てていますが、隣地も同様にギリギリに建てているので陽当たりは悪いです。
いずれにしても北側しか抜けていない土地の場合、LDKなど広い居室の採光計算が取りにくいです。断熱面から考えても、できれば作りたくなかった吹き抜けを、採光のために作ることになりました。
経済的余裕さえあれば、家は何十年か後にリフォームすることもできますが、土地の条件は変えられません。子世代に引き継ぐにしろ、将来売却するにしろ、失敗したなあと思います。
2.施工者選びの失敗
- 標準仕様の充実がこだわりを捨てる結果に
- 割安な条件であっても割安にならないのがハウスメーカー
建ててていただいた業者が悪いわけではありません。わが家が不勉強だった部分も大きいと思います。ただ、ハウスメーカーだけでなく工務店などからも資料を取り寄せていたにもかかわらず、深く知ろうとしなかったのは失敗でした。
オプション費用を怖れるあまり、標準仕様の充実したメーカーを選びました。が、これが失敗です。
注文住宅の良いところは、自分の好きなように作れるところなのに、ほとんど標準仕様のままで、注文住宅としての価値がないかなと思いました。正直、面白味のない家です。こだわりの家を建てた人がわが家に来ても、お世辞のひとつも言ってもらえないような家です。
また総二階建て(1階と2階がほぼ同じ面積の家)の場合、工務店なら「工事が複雑でなくなることから割安になる」と聞きますが、メーカーでは関係ないようで、あくまで坪数で価格が決まりました。
大手ハウスメーカーのような高額な家ではないですが、標準仕様のない工務店などで建てれば、同じ価格でひとつひとつの設備や素材にこだわれたのではと思います。
ただ、窓や玄関ドアなどの断熱性はそこそこの基準をクリアしていたのは満足しています。玄関ドアはYKKヴェナートですが、同じ見た目でもD2~D4までの断熱性能ランクがあり、そのなかでは最高性能のD2にされていました。
国内最高基準ではないものの「最低でもクリアしておきたい断熱性」は保てているようで安心しています。
しかし、注文住宅は間取りから設備や内装・外装材まで、すべて施主が選べてこそ「注文」住宅なのだと思います。
その点を考えると、ハウスメーカーで建てるとどうしても規格住宅を少しだけカスタマイズするのが限度になります。知人の家と比較しても、実績ある地元工務店などで色々な提案を受けて考えながら建てれば良かったという思いは大きいです。
3.間取りの失敗
わが家は高低差がある土地で、初めから北東が駐車スペースになっていました。そのため、土地を最も有効に使おうとすると、建物の北東が欠けてしまうことは否めない状況でした。
夫の母が家相を気にする人なのですが「北東が欠けている家なんて絶対ダメ」と言うので、本来使える北西の土地を庭にして、長方形の家(少しだけハリあり)を建てました。
しかし、総二階にしても金額が割安にならないハウスメーカー、凹凸がなくのっぺりした印象の外観、玄関部に屋根がないため無理やり取り付けておかしくなった庇(庇についての記事はこちら)、採光計算が取りにくく吹き抜けを作り寒くなったリビング……どれも後悔ポイントとなっています。
家相へのこだわりは、住みやすい間取りを制限します。絶対に住みやすさを優先したほうがいいです。
私は間取りを自分で考えたのですが、欠けを作らず理想的な間取りに近づけるのは難しかったです。階段の位置や水回りの動線、どうしても理想の形にはできませんでした。
そのために諦めたことがこちらです。
- シューズクローク
- 洗面室の物干しスペース&衣類収納スペース
- リビング以外からの階段
シューズクロークを取るスペースがなくなり、棚とコートかけだけかろうじて作れました。洗面室は4帖欲しかったのですが、2.6帖になりました。リビング階段は寒いと聞いたので避けたかったですが、そこしか階段を配置できませんでした。
そして外観が凹凸がないうえに、軒の出がなく、のっぺりした印象なんです。せめてベランダの手すりで表情を付けようと、必要のないベランダを作ったので部屋は狭くなり、余計なメンテナンスがかかる家になってしまいました。
家相は家庭の幸せに関係ありません。北東を欠けさせなくても、新築して1年半で夫は転勤し、家族バラバラに住むことになりました。夫の実家も北東の欠けをなくすようにリフォームしましたが、義父は早くに亡くなっています。
家相などにこだわって、間取りを制限するのはやめましょう。ばかばかしいです。夫は無視していいから好きな間取りにしようと言ってくれていたのに、と新築ブルーにも陥りました。
成功したポイント
わが家が依頼したハウスメーカーでは標準になっていたことや、成功したと感じている点は以下の通りです。
- 断熱サッシ(樹脂サッシ・複層Low-eガラス)できれば最高級のもの
- 断熱性能の高いドア
- ベランダ金属工法
- 砕石パイル工法による地盤改良
これらは多くのハウスメーカーでは採用されていないことが多いのですが、個人的にはぜひ採用したほうがいいと考えています。将来かかってくる費用に大きく影響します。
家づくりは調べ尽くしてから
そのほか、マイホームに関する後悔や失敗を挙げ連ねるとキリがありませんので今回はこのへんで。
ただ、標準仕様のあるメーカーでも、とりあえず希望のオプションがあれば見積もりだけでも出してもらっておけば良かったという後悔もしています。
これを読んでいる人の中には、既に建築請負契約を済ませていて、まだ建てていない人もいらっしゃるかもしれません。
土地選びや施工者選びはやり直せなくても、もしかして間取りの大きな変更もやり直せなくても、せめて内装や外装は希望のものをとりあえず見積もりしてもらいましょう。
最悪、違約金を支払ってでも、工務店などに依頼し直したほうが安く理想に近い家を建ててもらえるかもしれません。
いずれにせよ建ててしまってから後悔しても、気に入らないから建て直すなどということはできません(稀にいるようですが)。後悔をしないためには、経験者の失敗例を参考にしっかり考えてから計画しましょう。