2021/05/13
高気密高断熱住宅が当然…などと言われてきていますが、それでも日本の住宅の断熱性能は世界でも最低レベルだそうです。
参考記事:低い断熱性なぜ放置、世界に遅れる「窓」後進国ニッポン (日本経済新聞)
私は、賃貸住宅時代、冬は毎朝、タオルを絞れるほどの結露に悩まされたので、結露しない窓というのにこだわっていました。
家を建てようと決めた際に、最初に訪問したのが「一条工務店」でした。友人が、「ハウスメーカーで建てるなら、機能面では一条工務店が一番だ」と言っていたからです。
sponsored link
断熱性の高い家が最強
一条工務店は、トイレ以外すべて自社製の設備なので、性能の割に低価格が実現できているそうです。反面、その自由度のなさが嫌だという人も多いです。
デザイン性もあまり高いとはいえず、間取りの自由度も低めのため敬遠するひとも多いですが、断熱性では日本の建設業界でもトップレベルのメーカーだと思います。
なんといってもオール樹脂サッシでガス入りトリプルLow-eガラスが標準。これだけで、世界クラスと言われる「YKKの断熱窓APW440」と同レベルです。最近はさらに断熱性の高い防犯ツインLow-Eガラスの窓も選べるようです。
i-smartなら全館床暖房、外壁もタイルでメンテナンス性に優れています(継ぎ目の打ち替えは定期的に必要だと思いますが……)。私もきちんと施工されていれば、一条工務店の家はいいと思います。i-smartの中古住宅があれば、内装と設備だけリフォームして住みたいくらい。
価格も他の大手ハウスメーカーに比べれば安価だと言われています。
それでも予算の面とその他デザインなどの面で、結局一条では建てませんでしたが、
一条と同じような仕様のメーカーがないか探しました。
そして、樹脂窓で複層Low-eガラス、断熱材は硬質ウレタンフォームという「高断熱」をうたう一条よりリーズナブルな住宅メーカーを見つけ、そこで建てたわけですが……正直、一条工務店にしておけばよかったと後悔することもしばしばです。
確かに、うちの予算で建てられる範囲では、まあいい家だろうと思うところもあります。
標準仕様が充実しているんですが、一条のように外壁などのメンテナンス性が高いというメリットはなく、水廻りの設備も気に入ってはいません。特に浴室の床がすぐに汚くなります。住宅設備なんてどこも大差ないだろうと思っていましたが、賃貸住宅の頃のほうがお手入れしやすい浴室でした。
樹脂窓はYKKのAPW330が標準ですが、結露しません。窓の近くに行っても、特に寒いとは感じません。
しかし、思っていたよりかなり寒いです。わが家のリビングには吹き抜けがあり、階段もリビングからの直線階段だからということも大きいと思います。寒いから、こんな風に突っ張り棒と布で対策してます。
つっぱり棒はダイソーで200円のものを5本、布はカーテンショップの端切れ市で詰め放題500円で買ったものなので、総額1,500円以下です。こんなに薄い布でもエアコンの効きはかなり良くなりました。レースカーテンなどの薄い布なら圧迫感もないし、光も通すので防寒に役立ちます。
リビングの吹き抜け階段も同じくつっぱり棒と端切れで。こちらのつっぱり棒は100円のものを2つ。階段の始まり部分からにすると、腰壁手すりの部分から風が入ってくるかもしれないと思ったので、上を斜めにして腰壁が終わる部分から垂らしています。
階段入口にドアを付けようかとか、ロールカーテンを付けようかとも考えたのですが、いちいち開けるのが面倒なので、暖簾のようにずらすだけでいいものにしました。エアコンの季節だけつけています。
それでもやはり寒いのは寒いです。極力吹き抜けは作らないほうがいいと思います。作るなら風の方向など工夫して、天井にファンをつけるなどして対策したほうがいいでしょう。
わが家のリビングのエアコンは、表示室温の最低値が8℃で、それ以下になると”Lo”と表示されるのですが、真冬は早朝エアコンをオンしたときには、たいてい”Lo”と表示されます。エアコンが感知している室温は”8℃未満”だということです。
誤解が多いと思いますが、いくら高断熱住宅でも何もしないで暖かいわけではありません。エアコンありきです。外気が暖かくなってきても家の中はエアコンでないとなかなか暖かくなりません。
昔の家に比べれば暖かいのだと思います。エアコンも容量が合っていて、もっと配置に工夫できていたら良かったのだと思います。わが家は前の家で使っていたエアコンが買ってからまだ2年だったので移転してもらったのですが、容量が少し足りず、吹き抜けもあるため効きにくいようです。
冷房はよく効きます。夏は電気代もさほど高くなりません。
しかし、冬はやっぱり寒いです。ホットカーペットを併用しないと、とても快適には過ごせないです。一条工務店の「全館床暖房」なんて過剰だろう、と思っていましたが、あったらいいだろうなとしみじみ思います。
床暖房のある家は、それだけで暖かいです。足元が暖かいと本当に快適です。
わが家の建てた家は、1階は「無垢フローリング」が標準で、無垢なので暖かいと聞いてましたが……普通に冷たい……。
「普通のフローリングよりはちょっとマシ?」というくらいの感じです。「わあ、暖か~い」とかでは絶対ない。真夏に素足で歩くにはフローリングよりは足触りなど快適な気もしますが、冬は普通のフローリングで床暖房の方が絶対にいいと思います。
無垢といっても6㎜の無垢板を表面に貼っているだけのフローリングなので、15mmの本物の無垢床の家に遊びに行って違いに驚きました。全然違います。
わが家のフローリングはウレタン塗装までされているので、へこみや傷を治せないので無垢の良さがない。これも後悔点です。
無塗装やオイル塗装でないと無垢床の良さは感じられません。傷がつきやすいだけになってしまいます。床暖房をあきらめて無垢床にするなら、本当の無垢床にしてウレタン塗装はやめたほうがいいでしょう。
まとめ
結局、窓を断熱性の高いものにして、断熱材を硬質ウレタンフォームで施工してもらっても、暖房なしでは寒いです。日差しがあっても、外気が暖かくても、暖房なしでは室内は暖かくなりにくいです。夏は比較的涼しいですが、エアコンなしでは無理だと思います。
高断熱住宅なら、暖房器具さえ間違わなければ室温が希望に達してからの電気代は安いと思います。容量が合ったエアコンと、できれば床暖房が一番快適に過ごせると思います。
わが家は断熱性に過度な期待をしていたので、床暖房なんてありません。エアコン+ホットカーペットです。
一条工務店並みの断熱性で、好きにカスタマイズできる家を建てるには、きちんと施工してくれる優良工務店で、YKKの最高クラスAPW440並みの断熱窓にして、その家に適した暖房を提案してくれるところがいいのではないでしょうか。
とにかく、住まいの断熱性・省エネ性を上げるゼロエネルギーハウス(ZEH:ゼッチ)が推進されている時代に、まだアルミサッシ、あるいは一部のみ樹脂のサッシを使うような断熱意識しかない建築施工者は論外だと思います。
大手ハウスメーカーで世界クラスの断熱性があるのは一条工務店だけです。しかし、設備や内装が限られている点が残念です。実績があり、断熱性の向上を目指している施工者を調べて、好きな設備を選べるほうが後悔は少ないでしょう。