2021/05/13
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残業の過少申告は実はあたりまえ!?
電通の女性社員が過労自殺した事件によって、残業の過少申告が取りざたされています。
参考URL:残業「大半の社員が過少申告」 電通を書類送検へ (日本経済新聞)
しかし、これっておそらくどこの企業もやっていることだと思います。
私も、自分の勤めた会社2社と夫の会社しか知りませんが、いずれも残業の過少申告は当たり前でした。
私の勤めた2社は、どちらもタイムカードがありませんでした。夫の会社には以前はありましたが、まだ仕事をしていても7時くらいにタイムカードを一旦押すということが常態化していたようです。
驚くのは多くの社員がそれに対して何も感じていないということ。
いまの40代以上の人にとっては、それがあたりまえになっているのです。
夫の会社も、一日12時間以上の勤務のことのほうが多いし、エリアが広いので移動だけで何時間もかかります。
先日も、夜10時半ごろ帰宅途中だと電話がかかってきましたが、事務所が閉まっているので直帰したことになり、22時過ぎまで仕事をしていたにもかかわらず定時退社したことになっているようです。
これがまかり通っているのが日本の企業です。
拘束時間の長さと上層部だけが潤う仕組み
夫の会社では、仕事用の携帯電話が支給されます。そして、その電話を年中無休24時間持ち歩いています。
その番号は顧客に教えるものなので、帰宅後だろうが休日だろうが電話がかかってきます。
つまり、本当の意味で休息できる日はないということです。外出する際も車なら会社の資料を持ち歩いています。
日本人としては平均以上の年収なのかもしれませんが、単身赴任による二重生活はギリギリだし、拘束時間の長さから考えると割に合わないと思います。1日15時間は仕事をしていると考えると、月収を時給に換算した場合1,100円程度になります。
家族帯同で転勤すればよいと思われるかもしれませんが、夫の会社では40歳になると借り上げ社宅の家賃補助がなくなります。好きで住む場所でないのに家賃は全額自分で支払わなくてはならないということです。
ものすごくイヤな見方をすれば、持ち家を買わなければ損、子育てがしにくいという状況をつくりだしておいて、住宅ローンを組ませ、逃げられない状態にする。生涯文句を言わずに会社に奉仕するしかない状況に追い込まれているような感じです。
本来なら2人でやる仕事を1人でしてくれる社員がいれば、人件費が半分に抑えられます。
いま企業が欲しがっているのは、ブラック企業で一定の期間耐え抜いた人なのだそうです。
特殊な技能は機械で代用できる日がいつか来るらしいですが、耐力を持った人間はかなり企業としては重宝する人材らしいです。
たしかにそうかもしれないと思い始めています。
さらに、日本の企業は、上層部だけが潤う仕組みで、下層部へ還元されません。非正規雇用の従業員などは、何年たっても時給が上がらない場合もあります。
しかし、役員は富裕層と同等の暮らしをしている人が多いですよね。現場で働く人はギリギリの生活なのに、名ばかりの役員が贅沢できるということです。
また中間管理職の場合、残業代がなくなってしまい年俸制になる企業も多いようです。しかし、それほど給与自体が増えるわけでなく、役職無しの頃のほうが残業代が加算されたぶん給与が多かったという人も大勢いるということです。
転勤で振り回され、それによって経済的な見返りがあるわけでもない。
中間層ですら、こんな生活をしているのだから、日本が豊かになるわけがないです。
家を買っても、現役の間ずっと支払って行かなくてはならず、支払い終えた頃には高額費用をかけてリフォームしなくてはならない。意味がないですよね。
日本はお金を捨てるだけの国になっていく気がします。