頭金なしのフルローンで家を建てるリスクを考える | 後悔だらけの注文住宅~経験者の失敗から学ぶ家づくりのページ~

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ショボイ失敗から致命的な失敗まで、これから家づくりを考えている人のために経験者の失敗談を中心に情報公開していきます。また、いろいろなシミュレーションも交え、マイホーム購入の際に迷いがちなことを解決するためのヒントになればと思います。

頭金なしのフルローンで家を建てるリスクを考える

time 2017/06/22

頭金なしのフルローンで家を建てるリスクを考える

先週は「世界中が自分の味方だ~♪」といったふうに有頂天でしたが、選択を誤ったせいで、今週一気に撃沈しているりんごです……こんにちは。

選択・決断次第で、未来は一変します。これは、もう実感を持って言えます。仕事にも結婚にも、そしてマイホーム購入にも言えることです。

間接的に知っている人が、まだ築浅の家を売って新しく家を建てるそうです。何が原因かは知りませんが、目と鼻の先で建てるそうなので、家そのものが気に入らなかったのではないかと推察できます。せっかく建てた家を売り、また新築するという選択はかなり思い切った決断です。

大手ハウスメーカーの家なので、かかる費用はたぶん5千万円以上。いくら築浅とはいえ、得する価格では売れていないらしいので、もしかするとフルローンになるのかもしれません。他人事なのでどうでもいいのですが、それが通ってしまう世の中だということが怖いと心底思います。

今回は、「頭金なしのフルローンで家を買う」ということについて考えてみたいと思います。

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頭金を貯めるよりローンを組んでしまえと勧めるFP

家を建てる前、まだ土地も見つかっていなかったころ、ある中堅ハウスメーカーの勉強会に行きました。ファイナンシャルプランナーの方が、住宅を建てる上での資金について話をされるものです。税制面での優遇などについて話され、金利の話や維持費の話などはされませんでした。

印象に残っているのは「頭金を貯めてから家を買うなんて時間の無駄だ」と言われたことです。頭金を貯めている間にも、家賃はかかってくるから。

たとえば3年間で家賃を支払いながら頭金を貯めるより、頭金なしでローンを組んでしまってから一日でも早く返済を始めるべきだというのです。

しかし、家って人生で一番大きな買い物です。そんな安易に考えるべきではないと思います。

たしかに、家を購入する理由の第一位は「家賃がもったいないから」だと言われています。そんなことを考えつつマイホームを検討し始めたときに、ファイナンシャルプランナーから焦らされたらつい買ってしまう人も多いのかもしれません。

ちなみに後日、あるファイナンシャルプランナーの方から 「ファイナンシャルプランナーなんて簡単になれるから、あまり信用しないほうがいい」と言われました。

早過ぎる決断はかえって損をすることにも

冒頭の「建てたばかりの家を売った人」も、家を建ててから子供が一人増えたようです。それで狭いということもあったのでしょう。ただ、乳幼児が一人増えただけでいきなり狭くなるということはないだろうし、兄弟で同じ部屋を使うなど対策はいくらでもあります。

よほどの資産家でない限り、転勤などの事情も、ご近所トラブルなどの理由もなく、家族構成が変わったというだけで数年で近隣に家を建て直すことはあまりないでしょう。

ただ、購入価格と売却価格の差は、諸費用も考慮すると500万円は超えると思われます。7万円の家賃だったとしたら、6年分を損したことになります。

その家の人が浅はかだというだけの理由でなく、簡単にローンが通ることが、人の正常な判断力を奪っている気がするのです。金融機関がOKを出しているのだから返済能力があると勘違いしてしまうのです。

頭金がない状態で、5~6千万円のフルローンが通るとしたら怖いです。たとえ30歳だとしても、35年ローン、変動金利0.65%がずっと続いたとしても、毎月の返済額は14~16万円です。

全期間固定1.4%だとしたら、毎月16~18万円、家賃どころの金額ではありません。ヘタしたら家賃の3倍です。年収700万円だとしても、手取月収にするとボーナスを考慮しなければ46万円、ローンを返済したら月30万円前後で生活することになりますが、固定資産税・都市計画税の支払いや維持費用も残しておかなくてはなりません。自家用車があるなら、おそらくカツカツの生活になるはずです。

頭金となるお金が全く貯められかった状態で、家賃が浮くからと言って簡単に返済できるような額ではないのです。「家のローンを返すためだけに働く暮らし」が待っています。子供に習い事をさせたり、大学まで行かせる資金を貯めることもおそらく難しいでしょう。

つまり、頭金なしでフルローンを組むことが問題なのではなく、頭金すら用意できないような経済状態で、家賃がもったいないからと家賃の倍額以上になるようなローンを組むことが恐ろしいことなのです。

ハウスメーカーとFPはあなたの未来を考えてはくれない

ハウスメーカーは家が売れれば、その後あなたが貧乏になろうが破綻しようが関係ありません。ファイナンシャルプランナーによる勉強会は無料ですが、ファイナンシャルプランナーはハウスメーカーからきちんと手当をもらっています。家を買わなきゃ損という気持ちにさせられてしまいます。

金融機関はお金を貸してくれますが、借入可能額を年収から計算するという数値を信じてはいけません。いま支払っている家賃をベースに考えましょう。今の生活費のバランスが取れているなら、固定資産税・都市計画税分の積立、修繕費用積立を2~3万円とみても、それを足した額で今の家賃になるという程度の返済額になるようなローンしか組むべきではないのです。

住宅ローンシミュレーションサイトなどで、借り入れ額から毎月の返済額がどのくらいになるか、総返済額がどのくらいになるか分かります。安易に家賃がもったいないから頭金なしでフルローンを組んだり、家族構成がはっきりしないうちに焦って家を建てたりせず、きちんと将来のこともシミュレーションしたうえで、資金計画を立てましょう。

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転勤族妻です

りんご

転勤族なのに家を建て、1年半後に夫が単身赴任となったアラフォー主婦です。



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